みなさんは、北海道に行く際、どのような交通手段を利用していますか?筆者は、北海道・札幌に行く際、よく北海道&東日本パス(以下”北東パス”と呼びます)や青春18きっぷを利用します。また、北海道の奥地を目的地とする場合も、札幌を経由してから目的地に向かう場合が多いため、東京~札幌間は特に移動する回数が多くなります。
以前であれば、普通列車をひたすら乗り継いだり、青森~札幌間で急行はまなすを利用することで移動できましたが、北海道新幹線が開業し、急行はまなすがなくなった今、札幌への移動は一筋縄ではいかなくなりました。
今回は、北東パスを利用する前提の元、東京~札幌間の効率的な移動方法をご紹介したいと思います。
目次
ポイントはいかに津軽海峡を攻略するか!
現在のシステムでは、北東パス1枚だけを持っていても、東京から札幌へ行くことはできません。青森と函館の間に立ちはだかる津軽海峡を越えるのに、他の交通機関を利用しなければならないからです。
津軽海峡を鉄道で越える唯一の方法は北海道新幹線ですが、北海道新幹線に乗車するには別途新幹線の特急券を購入する必要があります。その価格は3930円。決して安くないので貧乏な学生にとって最適な手段とは言えません。
東京~札幌 おすすめルート
①安さ優先なら! 青森~函館間でフェリー
これが一番安いです。東京~青森間を普通列車で移動した後、そのまま夜行のフェリーに乗って函館へと渡ります。函館からは再び普通列車で目指す方法です。
最もシンプルな方法ですが、とにかく移動が大変です。2日間ひたすら普通列車に乗り続けるのが平気!という方ならば、やってみる価値はあります。
ただし、一番辛いのは電車に乗ってることではありません。フェリーです。
まず、青森駅と青森港、函館港とその最寄りである五稜郭駅がそれなりに離れているので、それぞれ30分程度歩く必要があります。特に冬場はしんどいですね。
また、フェリーの所要時間はおよそ3時間40分。運航時間にかかわらず、港についたら船を降りなければならないので、3時台に起きなければならないなんてことも…
また、函館~青森間にはフェリー会社が2つあり、貨物輸送がメインの青函フェリーと、乗客輸送を考慮している津軽海峡フェリーが運行されています。どちらも乗船することはできますが、前者は貨物がメインなので、接客設備は必要最低限レベルです。お世辞にも客室設備が良いとは言えませんが、破格の安さが魅力です。
なお、函館側では、青函フェリーと津軽海峡フェリーのターミナルが離れているので要注意です。
課金額:1,600円~(青函フェリー利用の場合)
所要時間:約2日
体力消耗度:★★★★★(レベルMAX)
②楽さ優先なら! 新潟~小樽間でフェリー
このルートが、普通列車での移動距離を最小限に抑えられる方法です。
新潟と小樽を結ぶ新日本海フェリーは料金が高すぎず、値段の割に船内設備が充実しているので、船内での生活を楽しむことができます。
新日本海フェリーは、最も等級の低い「ツーリストC」が大部屋の雑魚寝ではなく、1人ずつ独立した寝台のベッドを利用することができることが最大のメリットです。16時間にも及ぶ航海で、プライベート空間を確保できるのはお得です。
もし、1人用の完全個室「ツーリストS」を利用した場合でも10,380円で、他のフェリーよりもはるかに安いので、こちらも検討してみてください。
課金額:6,680円~+連絡バス運賃
所要時間:約28時間
体力消耗度:★★(レベルMAX)
③早割なら安くて楽! 仙台~苫小牧でフェリー
仙台~苫小牧間には、太平洋フェリーが毎日1往復運航されています。太平洋フェリーの通常料金は、最も安い2等船室(大部屋雑魚寝)でも7,200円~と少し高めです。
しかし、繁忙期に当たらないA期間であれば、28日前までの申し込みで半額の3,600円~利用することが可能です。この金額で長距離フェリーを利用できるのは、とてもコストパフォーマンスに優れています。
仙台港フェリーターミナルの最寄駅は、仙石線の中野栄駅で、そこからの連絡バスが出ているほか、徒歩でもフェリーターミナルへ行くことが可能です。
同じく、苫小牧西港のフェリーターミナルから苫小牧駅の間も、徒歩で移動することが可能ですが、連絡バスも出ています。
課金額:3,600円~(早割利用の場合)+連絡バス運賃
所要時間:約28時間
体力消耗度:★★(レベルMAX)
④急行はまなすの代わりになる! 八戸~苫小牧でフェリー
青森~札幌を結ぶ夜行急行はまなすが運転していた当時は、午前8時頃に上野駅を発車する宇都宮線に乗車し、東北本線を乗り継いでいけば、青森駅から急行はまなすに乗車して6時07分に札幌駅に到着できました。
しかし、急行はまなすがなくなった今、この代替ルートは八戸~苫小牧間のシルバーフェリーしかありません。
八戸までは東北本線、IGRいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線を乗り継いで行きます。八戸からは、八戸線に乗り換えて2つ隣の本八戸駅まで向かい、フェリーターミナルへの連絡バスに乗車できます。
今年から、フェリーターミナル行のバスに八戸駅前から乗車することもできるようになりましたが、所要時間が変わらないこと、バスの運賃が増すことを考えると、本八戸での乗換がおすすめです。
八戸発苫小牧行は22時00分発6時00分着、苫小牧発八戸行は23時59分発7時30分着が急行はまなすの代替になりそうです。北上便については、苫小牧西港に6時に到着するので札幌到着が2時間ほど遅れますが、南下便については急行はまなす時代とほぼ変わらない所要時間で移動可能です。
料金は4,000円~とお手頃価格なことに加え、他のフェリー会社と違って、季節による運賃の変動がないので、繁忙期の利用がとてもお得です。
課金額:4,000円~+連絡バス運賃
所要時間:約24時間
体力消耗度:★★★(レベルMAX)
④ちょっとでも安く鉄道で! 奥津軽~新函館北斗で新幹線
鉄道だけで行く方法がなくなったわけではありません。北東パスでは、新青森~新函館北斗間の北海道新幹線に限り、特定特急券を別に購入すれば、新幹線の空席に乗車することができます。
ですが、新青森~新函館北斗間の特定特急料金は3930円とお高め。そこで、奥津軽いまべつ駅のすぐ隣にある、津軽線の津軽二股駅まで行き、奥津軽いまべつ~新函館北斗間で新幹線を利用する方法です。これで、特定特急料金を2800円に抑えることができるので、1130円のお得になります。
なお、この2800円という金額は、奥津軽いまべつ~新函館北斗間の通算料金ですが、途中の木古内で特急券を分割して購入しても同じ金額になります。
時間があれば、木古内で途中下車し、駅前の道の駅で自転車を借りて周辺散策へ行くのもオススメです。
ただし、注意すべき点もあります。本数の少なさです。
奥津軽いまべつ駅に停車する北海道新幹線は1日にたったの7往復。更に、隣接する津軽線の津軽二股駅に停車する列車も1日に5往復のみ。乗り継ぎ時間が悪すぎて2時間待ちなどが発生することも多々あるので、気をつけましょう。
なお、奥津軽いまべつ駅は、新幹線の駅らしからぬ秘境感漂う立地になっているので、駅前にコンビニすらありませんので、時間のつぶし方はよく考えてから行きましょう。
課金額:2,800円+宿泊費
所要時間:約2日
体力消耗度:★★★★(レベルMAX)
⑤ぶっちゃけこれが1番… 成田~新千歳でLCC
上に書いてある通り、これが最もおすすめです。東京~札幌という離れた都市の間を、陸路や海路で移動するのは正直馬鹿です。LCC(格安航空)を使うのがいいです。と、言いつつ筆者もよく陸海路で移動していますが笑
東京~成田空港間は総武快速線の列車で移動し、成田空港~新千歳空港は一気に飛行機で移動。新千歳空港~札幌で快速エアポートを使いましょう。
東京~成田、新千歳~札幌間の移動で北東パスを使えば、これだけでも1日分の元が取れますので安心してください。
成田空港と新千歳空港を結ぶLCC会社はジェットスターとバニラエアの2社。どちも一長一短ですので、こちらの記事を参考にしてください。
予約する時期や搭乗日にもよりますが、安ければ5000円程度で乗ることができます。個人的に、許容範囲は10000円未満です。これより高い場合は、よっぽど急ぎでない限り普通列車とフェリーで行くことが多いです。
ただし、1点だけ注意が必要なのが、冬場。12月から1月末にかけては、新千歳空港は吹雪のために欠航便が相次ぎます。旅行に行けないならいいですが、旅行の帰りに引っかかると、仕事に間に合わない…といった事態に陥ります。冬場に新千歳空港を利用する場合は、日数に余裕を持つか、最新の情報に注意している必要があります。
課金額:5,000円~
所要時間:約6時間
体力消耗度:★(レベル1)
まとめ 学割の適用も忘れずに
いかがでしたか?北東パスとフェリーはとても相性がいいので、この2つを組み合わせて利用することがオススメです。
また、今回の記事では触れませんでしたが、各フェリーとも学割制度があり、多くの場合で2割引になります。少しでもお得な旅をするためにも、気に入ったフェリーのHPを確認してみてくださいね。