成田~新千歳のLCCを徹底比較 ジェットスター VS バニラエア

皆さんはLCCを利用されたことはありますか? LCCとは、ローコストキャリア(Low Cost Carrier)の略称で、日本語に訳せば「格安航空」です。

日本国内でも近年、多数のLCC路線が就航していますが、その中でもトップクラスに利用者の多い路線が成田~新千歳便です。ほぼ平行している羽田~新千歳便は、日本の国内線利用者数ランキングで毎年1位になるほどの区間で、LCCがメインとなる成田~新千歳便も2016年度のランキングで第9位にランクインしています。

そんな成田~新千歳を結ぶLCCは、ジェットスターとバニラエアの2社が就航しており、どっちを利用するかはかなり悩みどころ。。。そこで今回は、ジェットスターとバニラエアを徹底比較していきます!(2018年11月調べ)

ジェットスターとバニラエア そもそもの違いは?

まず、成田~新千歳でんぼ比較を始める前に、それぞれの会社としての違いを説明しましょう。

ジェットスター

もともとのジェットスターとは、拠点をオーストラリアに持つカンタス航空の完全子会社で、2004年に設立されました。日本国内ではジェットスター・ジャパンとして運行していて、この会社の株の3分の1をJALが保有しているため、JAL側のLCCということになります。

バニラエア

2011年にエアアジア・ジャパンとして設立され、その後一旦全路線を休止して社名を現在のバニラエアに変更しています。現在のエアアジア・ジャパンとは全くの別法人で、バニラエアの株はすべてANAが保有しているため、ANA側のLCCということになります。

成田~新千歳便 ジェットスターとバニラエアの違い

1日あたりの運行本数

ジェットスター:5~9往復/日

バニラエア:5~8往復/日

両者ともに日によってばらつきがあります。ジェットスターの場合、金土日のみ運行される便が設定されており、平日に本数が少ない傾向にあります。対するバニラエアは日によって差があり、曜日ごとの運行本数は安定していませんが、月曜日はジェットスターより運行本数が多めです。

両者とも、年末年始などの繁忙期はそれぞれの最大本数を運行しています。

運行時間帯

<ジェットスター>

新千歳行 始発 6時00分発

新千歳行 最終 17時20分発(日曜日は17時30分発)

成田行  始発 8時15分発

成田行  最終 19時50分発

<バニラエア>

新千歳行 始発 8時00分発

新千歳行 最終 17時15分発

成田行  始発 10時30分発

成田行  最終 19時45分発

バニラエアの方が運行時間が短く、ジェットスターの方が始発便がとても早い時間帯に運行されています。

どちらも成田空港を起点に運行されているため、新千歳発成田行きの始発は遅く、成田発新千歳行の最終は早いです。

所要時間

ジェットスター 成田→新千歳 1時間35分~1時間55分

新千歳→成田 1時間45分~1時間50分

バニラエア   成田→新千歳 1時間50分

新千歳→成田 1時間45分

バニラエアが各便同じ所要時間なのに対し、ジェットスターは運行される時間帯によって若干異なります。しかし、飛行機の所要時間は多少前後するものなので、実際のところは大差ないように思えます。

【重要!!】欠航時の対応

悪天候など、航空会社に非がない欠航の場合

公式HPなどで明確に言及されている点もありますが、明記がなく状況によって対応が異なる場合があります。ここで紹介するのは筆者の経験や情報に基づく代表例ですのでご注意ください。

<ジェットスター>

航空運賃の払い戻しを受けるか、後続便の空席を利用するかの2択です。しかし、どちらを利用する際にも注意が必要です。

払い戻しについては、原則バウチャーというチケットで返金されます。このチケットは、一定期間内に再びジェットスターの航空券を購入する際に金券として利用できますが、転売等はできないため、実際にお金が戻ってくることはありません。

後続便を利用する場合についても、当日の便ではなく翌日の便を利用する場合、ホテルなどの宿泊費は自己負担になります。成田空港は24時間ターミナルが空いているのでベンチなどで休むことができますが、新千歳空港は夜間になると原則閉鎖されます(悪天候などで大量の欠航が発生した場合には、夜間開放される場合もあります)ので、ターミナル内の温泉などに宿泊する必要があります。

<バニラエア>

ジェットスターと同じで、航空運賃の払い戻しを受けるか、後続便の空席を利用するかの2択です。後続便の利用について、ジェットスターとの差はほとんどありません。しかし、払い戻しには大きな差があります。

払い戻しについては、原則として購入時に使用したクレジットカードへの返金となります。最大3ヵ月の時間がかかりますが、きっちりお金として返金されます。コンビニで支払った人には、45営業日以内にメールが送られてきます。

機体故障など、航空会社に非がある欠航の場合

これは筆者も遭遇したことがありませんので、人からの情報などに基づいて解説しますが、状況によってかなりの差が生まれることは間違いありません。なお、どちらの航空会社も悪天候などによる欠航時と同じ対応は少なくともされると思います。

<ジェットスター>

翌日以降の便に変更した人に、宿泊費として8000円程度の自社旅行券が配布されるようです。また、払い戻し希望者に対して、バウチャーではなく、お金を返金する場合もあるようです。

<バニラエア>

バニラエアびついては全く情報がつかめませんでした。逆に言うと、機体整備不良などによる欠航はかなり少ないということのようです。

全体でみると、圧倒的にバニラエアの方がいい対応と言えます。LCCでは珍しく、お金が返ってくるという点はとても大きな利点です。特にLCCは欠航の確率も高いので、欠航時の対応については目を光らせたいところです。

搭乗口の違い

成田空港

成田空港では、LCCの航空会社ほぼすべてが、LCC専用のターミナル「第3ターミナル」を利用します。第3ターミナルへ行くには、第2ターミナルから徒歩か連絡バスを利用して向かいます。しかし、そのターミナル内でもかなりの差があるので注意が必要です。

<ジェットスター>

保安検査場を通過すると、左奥の通路を進み、エスカレーターなどもある長い通路を進みます。その通路を抜けた先に小規模な売店やトレイがある搭乗口があるスペースに到着します。ここから、地上の通路(屋根付き)を歩いて搭乗します。(極まれに、バニラエアと同じ方法で搭乗する場合があります)

<バニラエア>

保安検査場を抜けると、搭乗口はすぐ目の前にあります。待合室のような部屋の中にいくつか搭乗口が設置されています。しかし、これらの搭乗口が続いてる先は飛行機ではなくバス乗り場。空港内のバスに乗って機体のある所へ向かいます。通常は第3ターミナルの近くに駐機されていて、タラップの階段を昇って搭乗することになりますが、たまにどえらく遠いところに駐機されている場合もあります。ちなみに、筆者が体験した中でもっとも遠かったときは、3㎞程離れた空港の反対側まで行ったことがあります。その時はバスで10分以上かかりました。

個人的には、どっちもどっちだと思います。正直、ジェットスターの搭乗口まで通路を歩くのも、バスに乗るのも手間は変わりません。ただし、バニラエアの方はバスを待つために並ぶことがあるので、そこが少し面倒かもしれません。

新千歳空港

新千歳空港では、LCC専用ターミナルがないため、ANAやJALといった大手航空会社と同じターミナルを利用します。また、ジェットスターとバニラエアとでは、搭乗口の場所が大きく離れているので注意が必要です。

<ジェットスター>

電車やバスを降りたら、空港ターミナルの右手側にあるJALのエリアに向かいます。そして、JALの保安検査場を通過して搭乗口へと向かいます。JALの搭乗口の中では比較的端っこ方の搭乗口を利用することが多いですが、そこまで遠くはないです。

<バニラエア>

電車やバスを降りたら、空港ターミナルの左手側にあるANAのエリアに向かいます。そして、ANAの保安検査場を通過して搭乗口へと向かいます。ANAと同じ保安検査場を通りますが、便によってはターミナルの一番端っこの搭乗口を利用するため、結構遠いです。これは新千歳空港で降りるときの方が遠さを感じるかもしれません。降りると、何もない通路をひたすら進むことになります。

新千歳空港も、大差はありません。あまり気にすることではないでしょう。ただし、空港の左右それぞれで距離が離れているので、看板などをしっかりと確認して進みましょう。

運賃とは別途必要な、購入時の手数料

LCCでは、HPに表示される運賃とは別に各種手数料がかかります。これは避けることのできない料金なので、運賃の一部だと思って諦めましょう。支払い手数料はクレジットカードの場合の価格を示しました。

<ジェットスター>

成田空港使用料  380円

新千歳空港使用料 270円

支払い手数料   500円(キャリア決済の場合は650円)

<バニラエア>

成田空港使用料  380円

新千歳空港使用料 270円

支払い手数料   600円(コンビニ決済の場合は700円)

新千歳空港使用料は2018年10月28日から新たに始まったものです。最近、各手数料の値上げによって実質的な値上げが行われており、LCCの魅力が低下している感じは否めません…

機内サービス

機内でのサービスにはそれぞれで多少の差があります。どちらにも共通していることではありますが、すべて有料です。個人的には使わないに越したことはないと思っています。ので、この記事では機内サービスについては触れません。(私も利用したことがないので紹介できません…) 飲み物などについてはペットボトル等を持ち込むといいでしょう。

成田~新千歳便 ジェットスターとバニラエアで同じ点

チェックイン時間

チェックインに関して、預け荷物がない場合は空港カウンターにある自動チェックイン機でチェックインし、預け荷物がある場合にはカウンターで預け、その時一緒に航空券を発券してもらいます。

また、最近ではネットで事前にチェックインすることができ、自分でプリントアウトして持ってくる他、スマートフォンの画面に表示されるQRコードでも搭乗することができます。

なお、チェックインの締め切りは出発の30分前までです。これを1分でも過ぎると原則として乗せてもらえなくなるので、この時間は厳守する必要があります。

機内持ち込み手荷物の重量

LCCでは、他の航空会社と比べて機内に持ち込める重量に厳しい制限があります。以前は各社ばらつきがありましたが、現在では合計7㎏以内にそろっています。(ジェットスターの場合、オプション料金を払うと10㎏まで可) 持ち込める数は、手荷物が1つと手回り品1つまでと決まっています。

手荷物の大きさについて若干の差はありますが、スーツケースの大きさはジェットスターが56cm×36cm×23cm以内、バニラエアが55cmX40cmX25cm以内かつ三辺の合計が115cm以内と決められています。

重量、個数、大きさとも、現在は厳しく計測されることが増えました。ちょっと古いサイトだと「あまり厳密には見られないから大丈夫」などと書いてあることがありますが、場合によっては全乗客の手荷物を搭乗口で測る場合もあり、ほんのちょっとでもオーバーすると高額な超過料金を支払うことになるので十分に気をつけましょう。ちなみにスーツケースのサイズは、取っ手や車輪を含んだサイズです。

遅延のリスク

LCCを使う誰もが気にする点ではないでしょうか。しかし、残念ながらどちらもそこそこ遅れます。正確なデータはありませんが、私が実際に使っている中で感じる遅れの度合いはどちらも一緒です。強いて言うなら、バニラエアの方が遅れた時の対応が良かったりしますが、それも微々たる差なので、遅れることには変わりありません。

LCCは、目的地の空港に到着してお客さんが降りると、直ぐに折り返し運行でお客さんを乗せて飛び立ちます。そのため、折り返し時間に余裕がなく、一度遅れてしまうとその日1日中遅れるなんてことも多々あります。それ故の安さなので、この点についてはあきらめるしかないでしょう。夕方以降、特に夜の便を利用する場合には1時間程度の遅れは見込んでおくべきです。

なお、遅延に対して、航空会社から保障があるということはまずないので、終電の時間などには十分気を付けて予約しましょう。

まとめ

いかがでしたか?正直、どちらも一長一短です。私は乗りたい時間に運行されている会社を選ぶか、その日の料金が安い会社を選んでいます。ただ、欠航のリスクが高い台風シーズンや雪のシーズンは、欠航時の対応がいいバニラエアを選択することが多いです。

皆さんも、その日の値段などを参考に決めてみてはいかがでしょうか。

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