札沼線 廃止前臨時列車を予想 ~ノンストップ快速設定か?~

JR札沼線が廃止合意され、廃止も近づいてきています。悲しいことではありますが、他の路線を維持していくためにも、仕方のないことです。

廃止されるとなったら最後のお楽しみが、廃止前の臨時列車です。

近年、鉄道路線が廃止されるとなると、全国から鉄道ファンが詰めかけるため、列車は大混雑を見せます。あまりの混雑ぶりから、「日頃からこれだけ乗っていれば…」なんて話がよく出てくるほどです。

しかし、あまりの混雑度から、乗客が列車に乗り切れないという事態が発生しかねません。そこで、観光目的の人に向けた臨時列車が運転されることも多いです。

1日1往復の壁

今回廃止される札沼線には、大きな問題があります。それは末端区間の浦臼~新十津川間において、定期列車が1日に1往復しか運転されていないということです。

まだ正式な廃止発表がなされていないにもかかわらず、新十津川まで行く1日1往復の列車は、すでに平日でも混雑を見せ、日によっては1両編成の列車に90人以上乗車していることもあります。。。

写真は、新十津川駅にある、到着列車の乗客数をまとめたもの。既にこんな状況ですので、今後廃止前需要が高まれば、当然供給が追い付きません。そこで搭乗するのが臨時列車です。

JR北海道では、近年いくつかの路線を廃止してきましたが、どの路線においても例外なく臨時列車を運行しています。直近の2016年12月に廃止された留萌本線(留萌~増毛間)においては、6.5往復の定期列車に加え、土休日は臨時列車を2往復させるなどして対応していました。

増発のむずかしさ

じゃあ、重要がありそうだから列車を沢山走らせましょう!と言って、増やせるほど甘くないのが札沼線です。

今回廃止される予定の北海道医療大学~新十津川間47.6㎞の区間に、列車の行き違いができる駅は石狩月形駅の1駅だけ。更に、両端の新十津川駅も北海道医療大学駅も線路は1本しか使えず、実質的に運転できる列車は2編成だけです。定期列車との兼ね合いを考えると、臨時列車を挟める隙間はほんのわずかしかないんです。

実は増結も難しい

札沼線は、北海道内でも類を見ないほどの閑散路線です。そのため、新十津川駅のホームが2両分しかありません。臨時列車ならともかく、定期列車の3両編成の運転は難しそうです。

さらに、車両の運用にも問題があります。通常、1両編成でしか運転しない札沼線ですが、朝一番の石狩当別行だけは2両編成です。この2両編成で運転した車両を2つに切り離した、1両編成2つで日中運転しているのです。ここで、日中の列車を2両編成にしようとすると、朝の列車が3両以上になってしまい、長すぎます。一見3両でも問題なさそうに見えますが、以前新十津川行の2両に増結したときには、かなり運用が組み替えられ、朝の石狩当別行も1両編成だったようです。

他の路線と違って、簡単には両数を増やせないという事情が札沼線にはあります。

実際の臨時列車のダイヤを考えてみる

状況を言葉で説明しても仕方がないので、さっそく予想に参りましょう。今回の予想では定期列車の運転時刻を原則変えることなく行うことを前提にして考えていきます。(ここからは多少マニアックな話が挟まりますのでご了承を…)

定期列車の延長運転

まずはこれです。というのも、札沼線は2016年3月まで、現在1往復のみの浦臼~新十津川間の普通列車は3往復ありましたが、改正で午後の2往復が浦臼止まりに変更されました。このうち12時台の5427Dは運転時刻が大きく変更されてしまったため、新十津川まで行くことはできませんが、夜の5433Dについては、新十津川行時代からあまり時刻が変わっていないので、新十津川までの延長運転が可能です。

この列車が新十津川まで延長運転されれば、夜の新十津川駅に列車が来るという今では激レアな光景を見ることができるようになるので、ぜひやってほしいところです。

<予想運転時刻>(各駅停車の場合)

【新十津川行】浦臼 18時47分発  新十津川 19時09分着

【石狩当別行】新十津川 19時20分発  浦臼 19時42分着

臨時列車は、石狩月形~新十津川間ノンストップか?

次は正真正銘の臨時列車です。臨時列車が新十津川に行くタイミングは、ダイヤの都合上1日たったの2回。石狩月形~新十津川間には1本しか列車が入れないので、定期列車が運行されない時間を狙って行って帰ってくるしかありません。本数の少ないローカル線だから増発し放題って訳でもないんです笑

1回目のタイミングは、石狩当別行5426Dが石狩月形に到着する10時49分から、浦臼行5427Dが石狩月形を発車する12時19分までの90分間。

2回目のタイミングは、石狩当別行5428Dが石狩月形に到着する13時47分から、浦臼行5429Dが石狩月形を発車する15時09分までの82分間。

これだけです。で、問題はここから。

定期列車の新十津川行は石狩月形~新十津川間を片道48分程度で走ります。折り返し時間を4分だと見積もっても、往復で100分もかかってしまい、1回目、2回目のどちらのタイミングでも新十津川まで行って帰ってくることはできません。

そこで、途中の駅をすべて通過してしまえばいいではないか。という戦法。実は、稀に走る新十津川までの団体列車は主に2回目のタイミングを使って新十津川まで行って帰ってきます。片道の所要時間は35分程度という話なので、1回目、2回目のどちらのタイミングでも新十津川まで行って帰ってくることができます。

しかし、過去の団体列車の話などを聞く限り、新十津川での停車時間はわずか数分。石狩月形ではすれ違いに時間がかかる関係で、すぐに戻らなければならないようです。90分ある1回目であっても、確保できる停車時間は10分強といったところではないでしょうか。

これらをもとに、具体的な運転形態を予想すると、

①10時10分頃石狩当別発 11時25分頃新十津川着

②11時35分頃新十津川発 12時55分頃石狩当別着

③13時15分頃石狩当別発 14時25分頃新十津川着

④14時30分頃新十津川発 15時40分頃石狩当別着

停車駅:石狩当別、石狩月形、(浦臼)、新十津川

以上計4本

キハ40で札幌直通なるか???

臨時列車を運転するには、当然そのための車両が必要です。札沼線で使われている車両は札幌のお隣苗穂運転所の車両を使っています。臨時列車を走らせる場合もそこから持ってくるでしょう。では、その車両をどうやって用意するかという問題。方法は大きく分けて2つあります。

①定期列車で使う車両を間借りする

札沼線は通常2つの列車で運行されており、そのうち1両は1日中運用につきますが、もう1両は朝の運用が終わると一旦苗穂運転所に帰ります。そして夕方、再び運用につくために札沼線へと戻ってきます。この、苗穂に帰るはずの時間帯に臨時列車の運用につかせてしまう方法です。追加で車両を用意することなく運行できるため、比較的お手軽です。

しかし、臨時列車であれば2両編成にしたいところですが、先述の通り定期列車の増結は難しいため、もう1両の車両をどう確保するのかが課題になりそうです。

②札幌(苗穂運転所)から別の編成を持ってくる

恐らくこっちの方が可能性は高いです。簡単に増発といっても、JRが持っている車両の数にも限りがあるため、簡単に車両を用意することはできません。そこで、道内各地から車両を集める必要があります。実際、留萌本線の廃止前臨時列車には、遠く離れた釧路の車両も一部使われていました。それを考えると、定期列車とは車両を混ぜず、別口で用意するほうがよさそうです。

と、ここまでくるともう一つ気になりますね。せっかく札幌から車両を持ってくるなら、お客さんを乗せてしまおうという話になります。札幌駅で新十津川方面のお客さんを乗せ、石狩当別、石狩月形のみに停車して新十津川まで直通することになることも十分考えられます。

札幌~石狩当別間の電化以降、この区間では電車のみが走っており、回送列車を除けば気動車運用はありません。そのため、札沼線の電化区間で気動車に乗れることも珍しいですし、通過運転に乗れるのも珍しいです。

先ほどの臨時列車のダイヤと合わせると、

苗穂→(回送)→札幌→(快速)→新十津川→(快速)→石狩当別→(快速)→新十津川→(快速)→札幌→(回送)→苗穂

という流れになることも考えられます。

「道央 花の恵み」と「たらこ色」のコラボなるか

実際に使われる車両はどれなのか、というお話。

留萌本線の時は、たらこ色塗装の車両1両と、一般色2両が用いられました。たらこ色が用いられたのは、おそらくJR北海道の粋な計らいでしょう。となると、また札沼線の時にも登板する可能性があります。

また、当時はなかった「北海道の恵みシリーズ」のラッピング車両も用いられる可能性が高いでしょう。そうなれば、この2両の連結という面白い光景を目にすることができるかもしれません。

来春のダイヤ改正の動きに注目

来春のダイヤ改正までには、札沼線の廃止発表があると思われます。その上で、札沼線のダイヤに変更が出るのか否かがまずは注目ポイントです。運が良ければ、このタイミングで新十津川行の3往復化がなされるかもしれません。

まあ、いずれにしよまだ気の早い話なので、もう少しのんびり構えておくのがいいでしょう。

その前に、夕張線の廃止がありますので、そちらも注目です。

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