年末年始から2月にかけての観光シーズンで、北海道に行こうと考えている人もいるのではないでしょうか。
雪に覆われた北の大地の美しさは、他の地域で見られる風景とは格が違いますので、ぜひ遊びに行って頂きたいものです。
しかし、道外の方が冬の北海道に行くにあたって、最もリスクが大きいのは行き帰りの「飛行機」です。
12月から2月にかけて、道内の空港は雪の影響で度々滑走路が閉鎖されてしまい、多くの人が空港で足止めとなります。
道内最大の空港といえば新千歳空港ですが、その空港の規模が裏目に出るのか分かりませんが、新千歳空港は雪による欠航率が高めです。
そんな冬の北海道での飛行機対策について紹介します。
目次
冬の新千歳空港の状況
実際どのぐらい欠航するのか
「欠航が多い」とは言われてはいますが、新千歳空港の欠航率は公表されていません。そこで、インターネットで欠航率を探してみたところ、あるサイトが独自に行った調査を発見しました。
そのサイトによると、新千歳空港を発着するJAL便の欠航率は、
2016年12月 9.5%
2017年1月 4.4%
2017年2月 1.9%
3ヵ月合計 5.4% という結果だったそうです。
航空会社によって多少の差はあると思いますが、おおむねこの程度の数字になりそうです。
傾向として、12月はかなり欠航率が高く、2月はそこまで高くないようです。
実際、12月の下旬に大嵐が来ることが多いため、12月はバンバン欠航します。9.5%というとイメージが湧きにくいかもしれませんが、ざっくり10便のうち1便は欠航するといった割合ですので、かなり高いということがわかると思います。
欠航が決まるのは直前が多い
雪による欠航の場合、欠航が決まるのは出発時刻直前が多いので注意が必要です。
到着機が遅れたり欠航したりした場合は早め早めに欠航のお知らせが出ます。しかし、離陸できない状況になってしまうと、まずは出発時刻が遅れ、搭乗完了しても機内待機になり、数時間後に欠航が決まる、といった具合に、結論が出るのがどんどん後回しになります。
これは航空会社が悪いとかではなく、仕方のないことです。というのも、雪が降り始めると、いつ状況が変化するかわかりません。飛行機の出発10分前になって突然視界が悪くなり、滑走路手前で待機するということも多々あります。
札幌の天気に騙されてはダメ!
先ほどのように、刻一刻と変化する気象状況によって欠航率が大きく変わるため、飛行機を利用する日は、天候の変化に十分注意しなければなりません。
そんな時、道外から来た観光客によくある勘違いが、札幌と新千歳の距離感の勘違い。「札幌は晴れてるから空港も大丈夫」と思って空港まで来たら、空港周辺は吹雪だった。なんてことはよくあります。
各地の空港や飛行機の機内でも、「札幌・新千歳空港行き…」なんて言う表現がよく使われているので、この感覚を持っている方は多いと思います。
▲拡大された北海道の地図と、首都圏の地図は同じ縮尺です
実は、新千歳空港がある千歳市は、札幌市とは全く違う場所にあります。観光地で有名な小樽なんかよりも遠いです。直線で40㎞程離れているので、新宿と高尾山ぐらいの距離感がちょうどいいかと思います。
これだけ離れているので、当然天候は違います。特に、札幌は日本海側の気候なのに対して、新千歳は太平洋側の気候なので、同じ日の同じ時刻でも、一方が快晴でもう一方が暴風雪なんてこともあります。
注意するべきキーワード「暴風雪」
とはいえ、冬の札幌は毎日のように雪が降ります。新千歳空港も札幌よりは雪が少ないものの、かなりの頻度で雪は降ります。
じゃあ毎日飛行機が欠航するのかといえば、そんなことはもちろんありません。空港の設備も雪に耐えられるよう万全を期していまるので、ちょっとやそっとの雪で欠航したりはしません。
では、どんな時に欠航するのか。一概に言えるものはありませんが、ズバリ「暴風雪」です。この「暴風雪」や「猛吹雪」「荒れた天気」という単語が天気予報で流れてきたら注意が必要です。
冬型の気圧配置で勢力の強い低気圧が近づいてくると、どこもかしこも雪になり、外に出るのも嫌になるような天気になり、場合によっては雪に慣れている地元民ですら車での外出が危険になります。こうなると、新千歳空港の滑走路が全面閉鎖される可能性が高いので、諦めるしかありません。
欠航に巻き込まれないで済む方法
ここまで、新千歳空港の欠航状況について説明してきました。
ここからは、「欠航に巻き込まれずに済む方法」を紹介します。
①旭川空港を利用する
これが、北海道慣れした人が一番オススメする方法です。
旭川空港は、北海道内にある空港の中でも、非常に欠航率の低い空港として、旅行者や道民の間でも定評があります。実際、旭川空港のは、冬の就航率の高さを売りにしています。
(旭川空港HPより)
昨年2017年度も同様に99.1%の就航率だったそうで、欠航率に直すと僅か0.9%。先述の新千歳空港の5.4%と比較すると、その欠航率は僅か6分の1に抑えられているというから驚きです。
実際、北海道の各空港を発着する飛行機のほぼ全便が雪で欠航する中、旭川発着便だけ欠航にならなかった。ということはそう珍しい話でもありません。
この数字の高さから、「旭川空港最強説」が騒がれるほどで、旭川空港が北海道の空の玄関口、最後の砦として活躍しています。
旭川空港ってどこにあるの?
旭川空港のいいところをお伝えしてきましたが、ここで旭川空港の場所をご紹介しましょう。
旭川空港は、札幌から北東へおよそ130㎞行った、旭川の市街地から車で20~30分ほどのところにあります。
これだけ聞くと、凄く遠い…と思う方いるかもしれませんがご安心ください。旭川駅から札幌駅までは特急でおよそ1時間30分なので、バスの時間も合わせても2時間30分ほどで行くことができます。
2時間半もかかるるルート使う人いるの?と思う方いるかもしれませんが、飛行機が欠航になったら困る人にとっては有名な方法で、実際冬は新千歳空港じゃなくて旭川空港しか使わないという人もいるぐらいです。
少しでも欠航によるリスクを抑えたいなら、旭川空港がオススメです。
旭川空港の就航先
そんな旭川空港ですが、1日の便数は少なく、就航都市も僅かです。
最も本数が多い羽田便が1日に7往復で、JALとAIRDO(ANAとの共同運航)が就航しています。
また、ANAが1日1往復の名古屋便を運航していますが、旅客の多い繁忙期にしか運航していません。あとは、国際線の台北便が週に2往復しているのみです。
そのため、関西方面へ利用したい場合は、羽田空港まで行って新幹線や、他の国内線へ乗り継ぐしかありません。
夏場はもう少し運航本数も増えますが、冬場はこの程度の本数です。しかし、これだけ本数が少ないからこそ、除雪作業を入念に行う時間が確保できているというメリットもあります。
予約は早め早めに
旭川空港発着の便は、欠航率の高さから一部の利用者に大変人気です。そのため、利用者が多い日のチケットは、一か月前までに完売してしまうことも珍しくありません。もし、旭川空港を利用したい場合は、早め早めに飛行機の予約をしましょう。
②北海道新幹線を利用する
北海道と本州を結ぶ交通機関の中で、最も安定性に優れているのは新幹線です。これは間違いありません。北海道新幹線は、北海道と本州をトンネルで渡ることができるため、海や空が荒れていても問題ありません。
更に、新幹線のいいところは、「満席でも乗れる」という点です。飛行機であれば、座席定員に達してしまうと搭乗することができませんが、新幹線であれば立席という形で利用できるので、どうしても移動したい時には強い味方です。
北海道新幹線の所要時間は…?
しかし、札幌から東京まで陸路で移動するとなると、気になるのは所要時間です。
札幌→東京の具体的な移動経路は、札幌から特急列車で新函館北斗駅まで行き、そこで新幹線に乗り換えて東京まで向かいます。
▲札幌~函館を結ぶ、特急スーパー北斗
札幌~新函館北斗間の所要時間はおよそ3時間30分。新函館北斗→東京間の所要時間は4時間2分~4時間32分なので、新函館北斗駅での乗換時間を含めると、8時間~8時間半かかると思っていたほうがよさそうです。
北海道新幹線にリスクはないの?
新幹線が、雪を理由に運休することはほとんどありません。あり得るとしたら暴風による運休ですが、こちらもかなりリスクが低いとみていいと思います。もしも北海道新幹線が運休した場合は、他の交通機関もほぼ壊滅状態だと思いますので、北海道と本州の行き来は諦めたほうがいいでしょう。
しかし、この方法にもリスクがあります。札幌~新函館北斗間の特急列車の運休です。
札幌~函館を結ぶスーパー北斗は、道南地方が大雪に襲われた時に運休する場合があります。主な原因としては、ポイント故障、列車立ち往生、倒木の他、除雪作業が追い付かなかったりする場合もあります。
暴風雪が来ていない時でも、気温が急上昇した場合などには雪崩が発生し、除雪作業のために列車が大幅に遅れることもあります。
そのため、札幌対東京の移動手段として、北海道新幹線は完全だとは言えません。函館対東京であれば、新幹線を利用するのが最もリスクの低い方法です。
まとめ
いかがでしたか?冬の北海道旅行には、飛行機欠航のリスクがあります。でも、そのリスクを乗り越えた先には、美しい自然が織りなす風景、おいしい食べ物、楽しいイベントが待っています。
欠航のリスクと上手に付き合いながら、冬の北海道へ出かけてみてはいかがですか?