2019年も北海道&東日本パスを発売 オプション券は通年発売化 オプション券の有効な使い方とは?

2019年の「北海道&東日本パス」の発売期間、利用期間が発表されました。また、合わせて「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券」も発売されます。

北海道&東日本パスの基本ルール

北海道&東日本パスは、JR北海道とJR東日本の在来線普通列車、快速列車の普通車自由席が連続7日間乗り放題となるフリー切符です。JR東日本が運行するBRT(大船渡線、気仙沼線の代替バス)の他、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行の普通列車、快速列車にも乗車することができます。

また特例として、北海道新幹線の新青森~新函館北斗間の相互発着に限り、特定特急券を追加購入することで利用できる他、新青森~青森間、新得~新夕張間については追加料金なしで特急列車の自由席の乗車することができます。

基本的なルールに変更はなく、現在では定期列車が設定されていない、急行列車への乗車が可能なルールも存続しています。

発売期間・利用期間・価格

2019年の北海道&東日本パスの発売期間、利用期間、価格は以下の通りです。

【春季】
・発売期間:2019年2月20日~4月16日
・利用期間:2019年3月1日~4月22日

【夏季】
・発売期間:6月20日~9月24日
・利用期間:7月1日~9月30日

【冬季】
・発売期間:12月1日~2020年1月4日
・利用期間:12月10日~2020年1月10日

●価格
大人 10,850円
小児 5,420円

発売期間、利用期間、価格についても昨年と同様で変更はありません。利用期間は青春18きっぷよりも長めに設定されているので注意が必要です。

また、2019年10月に予定されている消費税増税、並びにJR北海道の運賃値上げに伴う料金改定の可能性があるため、プレスリリースにも「※おねだんが変更となる場合は、改めておしらせいたします。」との記載がされていました。新しい価格は秋以降に発表されるものと思われます。

今年から通年発売「北海道線特急オプション券」

2018年春季に初めて発売された「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券」が、今年も発売されます。

有効な北海道&東日本パスと組み合わせることで、北海道新幹線(新青森~新函館北斗)の空いている席と、JR北海道の特急列車の自由席が1日乗り放題となるものです。

当初、北海道命名150周年の記念イベントの一環として、2018年春季の限定発売ということになっていましたが、利用が好調だったことから2018年の夏季、冬季にも追加で設定されていました。なおも好調続きだったようで、今年はいよいよ春季、夏季、冬季のすべてで発売されることになりました。

オプション券の発売期間・利用期間・価格

2019年の北海道&東日本パス北海道線特急オプション券の発売期間、利用期間、価格は以下の通りです。

【春季】
・発売期間:2019年2月20日~4月22日
・利用期間:2019年3月1日~4月22日

【夏季】
・発売期間:6月20日~9月30日
・利用期間:7月1日~9月30日(8月1日~19日を除く)

【冬季】
・発売期間:12月1日~2020年1月10日
・利用期間:12月10日~2020年1月10日(12月28日~1月6日を除く)

●価格
大人 6,000円
小児 3,000円

利用期間は北海道&東日本パスと同様です。また有効日数が1日なため、利用期間最終日まで発売期間となっています。

ただし、夏季と冬季の繁忙期については、北海道内の特急列車が混雑することもあってか、利用することができません。

こちらも、北海道&東日本パスと同様、冬季は価格が改定されるものと思われます。

オプション券は高すぎる?いいえ、高くないです!

昨年の発売開始当時から、「特急オプション券は高すぎる」と言っている人をちらほら見かけます。確かに、7日間使える北海道&東日本パスの本券が10,850円なのに対し、オプション券が6,000円というのは、比率からして「高額だ」と感じてしまうのは仕方がありません。

そもそも北海道&東日本パスの本券自体が、驚異的な安さであることを忘れがちです。「安い」ということで定評のある、あの「青春18きっぷ」と比べても、1日当たりの料金はおよそ3分の2なわけですから、全国的に見てもかなり割安な切符です。それと6,000円を比較して、安直に「高い」と評するのはナンセンスです。

比較対象として、「元日・JR西日本乗り放題きっぷ」を挙げましょう。この切符、ざっくり説明すると、JR西日本の普通、快速、特急列車の自由席が1日乗り放題で、指定席も8回まで利用可能。というものです。フリーエリアの広さに多少の差はありますが、桁外れな差はありません。で、この切符のお値段は16,000です。

改めて北海道&東日本パス北海道線特急オプション券を見てみましょう。北海道&東日本パス1日分の値段を足しても7,550円です。半額以下ですよ?安いじゃありませんか。

でも、なんかしっくり来ないという方もいらっしゃるでしょう。「西日本と比較して安いって言われても…」とね。というわけでここからは、オプション券の有効な使い道を考えてみましょう。

最大の威力を発揮するのは新幹線

北海道&東日本パスを使って本州と北海道を行き来する場合に立ちはだかるのが、「北海道新幹線」です。この区間は全国で唯一、乗車券だけではどう頑張っても移動できない区間になっています。そのため、先述の通り北海道&東日本パスにも特例が設けられており、北海道新幹線の新函館北斗~新青森間の相互発着に限り、北海道&東日本パスと新幹線の特定特急券を組み合わせることで、新幹線への乗車が可能となっています。

つまり、フェリーなどを使わずに本州と北海道を行き来しようと思ったら、”必ず”特定特急券を購入しなければならないのです。

その特定特急券のお値段は3,930円と、かなり割高。更に、新函館北斗~札幌間は、一部の区間で普通列車の本数が極めて少なく、乗換の待ち時間もかなりかかってきます。

もうお分かりの方も多いでしょう。どうせ北海道新幹線の特定特急券を買うなら、差額の2,070円を追加で支払うことにより、北海道内の特急列車にも乗れる権利を獲得してしまえばいいというわけです。

函館~札幌間を普通列車のみで移動しようとすると、どんなに接続が良くても8時間以上かかる道のりです。そこを3時間半で移動できるのですから、2,070円ってとてもお安くないですか?

行きはのんびり、帰りは特急

とはいえ、北海道の特急列車に沢山乗りたいのであれば、そもそも北海道&東日本パスなど使わずに北海道用の特急フリーパスを使う方がお得です。航空会社とのタイアップ切符を利用すれば1万円ちょっとで4日間特急列車に乗り放題な切符も発売されています。

そもそも「北海道&東日本パス」を購入するのは、「普通列車でのんびり旅をしたい」といった方が多いのではないでしょうか。しかし、北海道は広く、普通列車の本数が極端に少ない区間も存在するため、一回の旅にかなりの期間を要します。かといって、長期のまとまった時間を確保するのがなかなか難しいという方も多いはず。

そこで出番となるのがオプション券です。例えば、東京から根室まで普通列車で旅をしたいのであれば行きは全区間普通列車で移動し、帰りは根室から新青森まで一気に特急列車で移動してしまえばいいのです。新青森~根室は、特急を使えば1日で移動可能な距離ですが、普通列車に限定すると2日では到達できない場合もありますから丸1日以上の節約ができます。

オプション券1枚あれば、1日で道内のどこへでも移動可能ですから、旅の選択肢としてとても便利なことは間違いありません。

全く違った使い道「もしもの時のオプション券」

最後に、このオプション券の全く違った使い道をご紹介しましょう。「オプション券なんて使う気ないよ」という方も、ここだけは必読です。

北海道の旅行で最も厄介なのが、「悪天候」です。自然豊かなところが売りの北海道ですが、逆にその自然が牙をむくとどうにもなりません。列車が終日運休、都市間バスや飛行機も全面ストップしてしまうこともそう少なくありません。そんな時は、大人しくホテルでじっとしているしかないでしょう。とはいえ、遅れた旅程を回復させない訳にはいきませんよね。

そんな時にオプション券を使うのです。前日動けなかった分の旅程を回復させたい時にオプション券を購入して、一気に特急列車で先回りすることができます。午前中だけ列車が運休した場合にも使えますよね。

それだけではありません。帰りの飛行機が悪天候で欠航したけれど、特急列車なら動いているという場合には、新函館北斗まで特急列車で移動し、そこから新幹線を利用するという手があります。全区間で正規の料金を支払うよりも、安価で済む場合があります。

北海道&東日本パス北海道線特急オプション券の最大のメリットは「突然特急を使わなくてはならなくなった時にも使える」という点です。最初は特急を使うつもりはなかったけれど、どうしても使わなくてはいけなくなった時のために存在を覚えておけば、きっといつか役に立つでしょう。

最後に

経営悪化が問題となっているJR北海道ですが、お金がないなりに私たち旅行者が利用しやすいような制度、そして旅行したくなるような面白いネタを用意してくれています。

青春18きっぷで西へ向かうのもいいですが、北海道&東日本パスで北海道方面への旅行をしてみてはいかがですか?

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