今日は、最近個人的に注目してる列車の紹介です。
今日紹介するのは、岩見沢11時33分発旭川行の函館本線普通列車(2325M)です。岩見沢~旭川を運行する極々一般的な普通列車に見えるんですが、、、
実はこの列車、かなりの俊足なんです。
岩見沢~旭川の路線解説
函館本線の岩見沢~旭川は、札幌~旭川間の都市間輸送を主な役割としているため、普通列車の本数よりも特急列車の本数が多いことで知られています。特急列車は上下ともにおおむね30分間隔で運転されているのに対し、普通列車は1時間に1本あるかないか。区間や時間帯によっては4時間近く普通列車の運転がない場合もあります。
この岩見沢~旭川間を走る特急の大半が、全国的にも俊足で知られる電車特急「ライラック」「カムイ」です。札幌~旭川の表定速度(停車時間を含めた平均速度)は96.6㎞/hと、国内の在来線特急で4番目の速さで、岩見沢~旭川間96.2kmを、僅か1時間で走破します。
そんな特急列車に挟まれるようにして走っているのが、函館本線の普通列車です。各駅に停車しながら運行する普通列車は、すぐに後続の特急列車に追い付かれてしまうので、途中駅での通過待ちが頻発します。
特急退避を行うと、当然停車時間が発生するため、全体の所要時間も増加します。函館本線の場合、多少の遅延も考慮されているのか、1回の通過待ち合わせで10分以上の停車時間が設けられており、かなりのタイムロスです。
その上、約半数の列車は途中の滝川で運転系統が分断されているため、お世辞にもいいとは言えない乗り継ぎ時間が発生します。(どれもこれも特急列車優先のダイヤが影響しています)
そんな中、唯一特急列車に追い越されることも、途中の停車時間もないのが、今日紹介する2325Mです。
2325Mの運転の流れ
11時17分、岩見沢駅3番線に2326Mとして721系3両編成で入線します。その後、折り返し準備を進め、まずは先行の特急ライラック13号が11時25分に岩見沢を発車。
そのあと、上りの特急カムイ18号が11時29分に向かい側の4番線ホームに到着するのを待ちます。カムイ18号と、2325Ⅿの進路が平面交差しているため、この列車の到着を待たなければ発車できません。
そして、11時33分に岩見沢を発車します。この後、各駅に止まりながら一路旭川を目指しますが、他の普通列車とは異なり、特急列車の通過待ちは存在せず、後続のライラック15号に追い付かれることはありません。
そのため、滝川、深川の両駅を含め、停車時間が1分以上設定されている駅はなく、岩見沢→旭川の所要時間は僅か82分。表定速度は70.40km/hとなり、函館本線の岩見沢~旭川間を走る普通列車としては最速です。
実際に乗ってみた
2018年12月22日11時13分、札幌方面から区間快速いしかりライナーに乗って岩見沢に到着しました。ここで20分間の乗り換え待ち合わせです。
私はこの時間を利用して、駅舎1階のセブンイレブンや駅前のツルハドラッグに買い物に行くことが多いです。この日はツルハドラッグの先にある「天狗まんじゅう」のお店まで行って揚げ肉まんを買ってきました。天狗まんじゅうについては後程紹介します。
11時20分頃には駅に戻って改札を抜けます。
旭川行の普通列車は3番線に入線済み。この日は721系の3000番台で運転なので、自動放送装置が搭載されてますね。0番台だと車掌さんの肉声放送になります。
土曜日だったのでそれほど混雑しないかと思いきや、車内は思いのほか混雑していました。2人掛けの席が7割ぐらい埋まる程度の乗車率。発車するころには9割方埋まっていました。ちなみに、階段から遠い後ろよりの車両の方が空いている傾向にあるので、混んでるなーと思ったときは後ろへ行くことをオススメします。
ここで先行の特急ライラック13号が5番線に到着。車内はほぼ満席の混雑率です。ちなみに、あの列車の旭川到着時刻は12時25分なので、この普通列車より30分早い到着です。
私は最後尾の車両の空いている席に座って発車を待ちます。
すると隣の4番線には特急ライラック18号が到着。この日は定刻通りの運転でした。この特急が到着すれば、こちらもまもなく発車です。
11時33分、定刻通りに岩見沢を発車。放送は自動音声に任せて、車掌さんは車内巡回に向かいました。岩見沢駅のポイントを渡って下り本線に入ると、列車は一気に加速し、石狩平野をどんどん北上していきます。
ここで先ほど購入した天狗まんじゅうの揚げ肉まんをいただきます。これ1個で110円なのでお手頃価格。サクサクした衣の中にもっちもちの生地に包まれた肉まんが入っていて結構おいしいです。名物の天狗まんじゅうの他にも、大福や草餅、肉まんなどもあるので皆さんも一度試してみてはいかがですか?種類が多いので、私もまだ全種類制覇できていませんが…
そんなことをしているうちに、峰延、光珠内と、特急列車が通過する駅にもそれぞれ停車していきます。この日はどの駅でもお客さんの乗降があり、途中駅の意義を発揮していました。ですが、やはり特急停車駅での乗り降りがメインであることに変わりはありません。
列車は根室線との乗換駅、滝川に到着。多くの普通列車はこの駅で乗り換えを強いられるか、特急列車の待ち合わせを行うためしばらく止まりますが、この列車はすぐに発車します。ちなみに、次の根室線の列車まで3時間以上あるのでご注意を。
更に石狩平野をひた走り、深川に到着。ここで多くの乗車がありました。このあたりまで来ると、先行の特急ライラック13号との間隔も開いてくるので、この列車を特急の代わりに使う人も多いようです。
納内を過ぎると列車はトンネル区間に入ります。トンネル内は携帯電話の電波が繋がらない圏外なので、周囲を見渡してもスマートフォンをいじっている人はいません。大半の人がぐっすり眠っていました。駅間も長くなるので、ここで車掌さんが最後の車内巡回にいらっしゃいました。
上川盆地に入ると、やがて近文に停車。ここまでくれば終点の旭川はすぐ目の前です。
近文を発車後、高架線に入ると列車は速度を落とし始めます。車掌さんからの乗り換え列車案内放送が終わると同時に旭川7番線に入線。定刻通りの到着となりました。
この日は回送列車となって一旦引き上げ線に入っていきましたが、冬季以外はそのまま13時47分発の滝川行普通列車となります。
最後に
今回紹介した普通列車は、何も考えずに乗っていたら何も気づきません。ですが、なかなかにレアな存在ですので、何かの機会に乗車するときにはこの記事のことを思い出してみてください。
ちなみに、旭川発岩見沢行にも特急列車に抜かれない便が1日に1本設定されていますが、こちらは滝川で3分停車するので、今回紹介した列車よりも若干所要時間が長くなっています。気になる方は是非時刻表で調べてみてください。