師走もまもなく折り返し。お忘れの方もいるかと思いますが、来週12月21日はJRの春のダイヤ改正概要の発表日です。ここ10年程、JR系列の鉄道会社のダイヤ改正概要の発表は12月の第3金曜日に固定されているので、12月21日の14時過ぎに発表される可能性が高いです。
目次
JR北海道のダイヤ改正概要を予想
ではさっそく、JR北海道の改正内容について予想していきましょう。
なお、発表される確率別に★を付けました。★が多いほど発表される確率が高いことを指します。
①北海道新幹線 所要時間短縮 (★★★★★)
北海道新幹線は、青函トンネルを含む在来線との供用区間の最高時速を、現行の140㎞/hから、160㎞/hに引き上げることが発表されています。
そのため、東京~新函館北斗間の最速所要時間が、現在の4時間2分から4分短縮され、3時間58分となります。最速所要時間で運転される列車は現行と変わらず午前の下り2本と夕方の上り1本となる見通しです。なお、最速列車以外の列車についても、新青森~新函館北斗間の所要時間が3~4分程度短縮される見通しです。
これに伴い、函館~新函館北斗間を結ぶ「はこだてライナー」についても運転時刻が一部修正される見通しとなりますが、運転本数等に変更はなさそうです。
また、JR東日本管内でのはやぶさ号増発やはやての廃止、減便により、北海道新幹線を走るはやぶさの号数にも一部変更が出る可能性があります。
②利用者の少ない駅を廃止 (★★★★★)
本日(12月13日)までに報道されている状況からすると、今回のダイヤ改正で廃止されるのは根室線の直別、尺別、初田牛の3駅です。そのうち、直別と尺別については、駅廃止後も信号場として残る見込みです。
当初、石北線の各駅のうち、利用者が数名の駅も廃止される可能性が示されていましたが、その後特に動きは見られないため、今回は廃止にならず、来年以降へと持ち越しとなる可能性が高くなってきました。
また、現状では特に報道されていませんが、もしかしたら古瀬も廃止駅として発表されるかもしれません。
③石勝線夕張支線 増発 (★★★★☆)
2019年3月31日で営業運転を終了することが決まっている石勝線の新夕張~夕張間の列車が増発される可能性が高いです。廃止前の駆け込み需要に対応するため、現行の定期列車に加えて2往復程度の増発が予想されます。
また、一部の定期列車の運転時刻が改められる可能性があります。新夕張~夕張間が廃止された4月1日以降も、石勝線の普通列車が千歳~新夕張での運行を継続します。この時のダイヤに合わせて、一部の普通列車の運転時刻を修正するかもしれません。
なお、この2019年3月改正で、新夕張~夕張間を走るすべての列車が臨時列車扱いとなる可能性が高いですが、これは列車番号等に変更が出るだけで、利用上の変更はありません。
③スーパー北斗キハ281系の一部をキハ261系に置き換え (★★★☆☆)
昨年のダイヤ改正で、定期列車の北斗からキハ183系が撤退し、すべてキハ261系に置き換えられました。これに伴い、すべての定期列車がスーパー北斗として運転されています。
しかし、今年に入ってもキハ261系の増備は続いており、今年度だけで19両増備されたとの情報もあります。この車両を使ってキハ281系の一部運用をキハ261系に置き換えることで、キハ281系の運用車両に余裕を持たせ、従来は車両数の都合で難しかった、キハ281系運用のスーパー北斗への増結対応を行うかもしれません。
④石北本線臨時快速列車 通年運行化 (★★☆☆☆)
金土日に旭川→北見間で運行されている臨時快速列車は、2017年4月1日に運行を開始しました。当初は9月末までの期間限定運行かに思われていましたが、その後もおよそ半年ごとに運転期間延長を繰り返しており、来年4月には運転3年目に突入します。
現状、運転期間終了の1週間前になると運転期間延長のニュースが発表されるといった形で運転継続されていますが、ここまで続いているということは、一定の成果を挙げられているのかもしれません。実際、運行期間を経るごとに利用者は増え、最近ではビジネス客の利用も見られるようになってきました。
となると、次のダイヤ改正で通年運行という形で改められる可能性は十分にあります。
⑤石北本線普通列車 運行体制の見直し
(★★☆☆☆)
石北本線では、峠における空転への対策が急務となっています。そのため、空転のリスクが高い区間を走る普通列車の運転時刻や運転区間の変更、一部列車の廃止、減車、増車の可能性があります。
一部例を挙げると、白滝発遠軽行普通列車の廃止、上川発遠軽行普通列車の運転区間短縮などです。ダイヤ改正後の運行体制がどのようになるのかまではわかりませんが、一定の変更が加えられる可能性は高そうです。
④快速エアポート 毎時5本体制へ増発 (★☆☆☆☆)
近年、快速エアポートの混雑が深刻化している事態を受け、JR北海道は快速エアポートの増発へ向けて準備を行っています。快速エアポートで使用される733系3000番台の増備が続いており、今年度は4編成24両が新たに増備されたようです。
当初の予定では、この24両を2019年度中に増備し、2020年を目途に快速エアポートの増発を行うとしていました。しかし、1年前倒しにして増備されたとすれば、快速エアポートの増発が前倒しになる可能性は否定できません。
とはいえ、現在15分間隔で運転している快速エアポートを12分間隔に変更すれば、札幌圏のダイヤを大幅に改正する必要があり、実施されるのかは分かりません。実際に増発されれば、札幌圏へと乗り入れる特急列車のダイヤを改正する必要もあるため、全道的なダイヤ改正になりそうです。
⑤札沼線 浦臼~新十津川 時刻変更・増発 (★☆☆☆☆)
札沼線の末端区間、浦臼~新十津川では現在1日1往復のみの運行となっています。最近、2020年5月の廃止が決まった訳ですが、末端区間に乗ろうと、全国から多くのファンや観光客が押し寄せ、1日1往復のみの列車に乗客が集中しています。
このままでは、今後輸送力不足が深刻化し、積み残しが発生しかねない状況です。また、臨時列車を運転しようにも、現行ダイヤではかなり難が多く、現実的ではありません。
関連記事→ 札沼線 廃止前臨時列車を予想 ~ノンストップ快速設定か?~
そのため、定期列車の運転時刻を一部修正するか、日中の浦臼行を新十津川行に変更する可能性があります。とはいえ、新十津川駅が「1日1往復」や、「日本一早い終電」を売り文句としていることも考えると、増発をそう簡単に行うのかは疑問です。
いずれは運転時刻変更や増発が行われるとは思いますが、今回の改正で行われるかはわかりません。
気になる改正日は?
旅行計画を立てる上で、ダイヤ改正の日時が気になっている方も多いののではないでしょうか。
今年の春のダイヤ改正は、特に日付に神経を使うようなイベントがなさそうな点から、3月16日か3月23日と予想します。3年ほど前までの慣例だと、3月16日ですが、近年はダイヤ改正日が前後することが多いので、なんとも言えません。新規開業路線や駅の工事進捗状況なども関わってくるでしょう。