JR北海道では、「単独では維持することが困難な線区」の路線データを詳細に発表しています。JR北海道の沼にハマればハマるほど、見ていて興味深いデータなので、私も時間があるときに見ています。
そんな中、今日面白いものを見つけました。なんと、日本一運転本数が少ない浦臼~新十津川間に定期券が発売された実績がありました。
浦臼~新十津川間に運転される列車は1日に1往復のみで、浦臼駅9時06分発の新十津川行が新十津川まで行って帰ってくるだけの運転です。そのため、ハッキリ言って公共交通機関としての機能は既に失っています。そんな浦臼~新十津川の通勤定期券が、平成29年度は1か月に平均1枚発売されていたと言うから驚きです。(3ヵ月定期は3枚、6カ月定期は6枚で換算)
平成27年度までは浦臼~新十津川間にも1日に3往復運転されていました。そのため、ごく僅かに定期利用者がいる可能性を残していましたが、1往復に減便されて以降は、定期利用者は完全に消滅したと考えられてきました。もし本当に定期利用者がいるとすれば衝撃的な話です。
定期券の購入目的はなに???
最大の疑問は、定期券が購入されている意図です。たった1往復、しかも新十津川の滞在時間僅か32分のために毎日往復しているとは流石に考えにくいでしょう。そこで、購入されている理由をいくつか考えてみました。
①記念購入の積み重ね
既に廃止が決定的となっている札沼線の非電化区間の中でも、たった1往復しか列車が運行されていないこの区間の定期券を買って、収集したい。と思う鉄道ファンがいる可能性は大いに考えられます。
収集が目的で定期券を購入する場合、金額の都合から1か月定期を購入する人が殆どですが、そんな人が12人集まれば、1年間の1カ月当たりの平均売上枚数は当然1枚となりますよね。
ちなみに、JRから発表されている1か月あたりの平均売上枚数は、「1.0」とされているので、きっちり12か月分発売されています。
②愛好家が利用実績のために趣味で購入した
JR北海道では、定期利用者がいるかいないで明暗が分かれるケースが結構多いです。実際、駅を廃止するか否かの議論となると、その駅に定期利用者が一人いるかいないかで結論が大きく異なります。そのため、お気に入りの駅を残したい!との思いから定期券を購入する人が、少数派ながら一定数います。
もっとも、定期利用者がいるからと言って路線の存廃が決まるわけではないですが、「少しでも路線の実績を残したい」との思いがあって購入されている可能性もあるでしょう。
③実は本当に通勤の定期利用者がいる!
「お前は何を馬鹿なことを言っているんだ」と思われそうですが、そうでもないです。この区間に公共交通機関が一切ないかというと、そういうわけではありません。札沼線の浦臼~新十津川間では、並走する国道に中央バスの路線が走っています。このバスは1日4往復運転されているので公共交通機関として生活利用が可能です。実際、このバスを生活利用してる方は一定数いると思われます。
しかし、このバスは札沼線との競合を避けるため、札沼線の浦臼~新十津川間の1往復が運転される時間帯にはバスが設定されていません。そのため、このバスの利用者は札沼線とバスの併用を求められるというわけです。
もし、毎日浦臼~新十津川を通勤している方がいるとすれば、片道をJR利用、もう片道をバス利用となり、JRの定期券を購入するのも納得です。
いつか定期券を買いたい
私は北海道に住んでいる訳ではないので、JR北海道の定期券を購入したことはありません。記念で購入するにしても、予算の都合で購入することができない状況です。もはや憧れの存在となっている定期券をいつか購入してみたいものです。
お金に余裕がある方は、定期券を記念に購入してみるのもオススメですよ笑