JR北海道 空気輸送列車選手権① 白滝→遠軽(4623D)

JR北海道の普通列車は、基本的にガラガラです(しょうがないがこれが現実だ!)

もちろん中には、混んでいる列車もありますので鉄道の存在意義はあります。

でも、中にはあっと驚くほどガラガラで走っている列車が存在します。乗客1人は当たり前、ぶっちゃけ毎日誰も乗ってないよ!なんていう列車もいくつかあります。

もちろんそれらの列車が全く意味なく走っているわけではありませんので、そんな異端児的な列車がガラガラな理由と、走っている理由をひとつずつ紹介していきます!

今回紹介するのは、石北本線の白滝→遠軽を走る普通列車です。

白滝→遠軽(4623D)の概要

<運転時刻>

白滝 20時43分発 → 遠軽 21時23分着

<編成>

キハ40 2両編成(現在は1両編成との情報も)

<停車駅>

白滝、丸瀬布、瀬戸瀬、遠軽(各駅停車)

この列車のガラガラ度合い:★★★★★(MAX)

この列車は毎日2両編成で運転ですが、乗客はまずいません。多分、10日に1人乗るかどうか…といったレベルだと思います。(想像) 私が過去に乗った時も他に乗客はいませんでしたし、乗車したら運転士からびっくりされました。

列車定員に対する平均乗車人数の割合は、おそらくJR北海道で最低です!!!!

ガラガラな理由

ではなぜそこまで乗客がいないのか。理由は主に2つです。

①そもそもその時間に需要がない

始発の白滝駅があるのは山の上の集落です。対して終点の遠軽駅は、このあたりでは比較的大きな街です。

つまり、この列車は街に向かう上り列車。何ですが、、、運転時間は夜!こんな時間から街に降りる人なんてまずいません。当たり前ですね。だから乗る人がいないんです。

②特急列車のすぐ後ろを走る

この列車が白滝駅を発車する9分前に、札幌発網走行の特急オホーツク3号が白滝を発車していきます。普通列車はその特急を追いかけるように遠軽まで運転するので、普通であれば特急からの乗り換え客を獲得できそうに思えます。

ですが、実際には乗り換える人はまずいません。先行する特急オホーツク3号は、丸瀬布、遠軽にも停車します。つまり、普通列車とオホーツク3号の停車駅の差は瀬戸瀬駅だけ。そのため、瀬戸瀬で降りたい人以外、オホーツク3号から普通列車に乗り換える意味はありません。

ちなみに、瀬戸瀬駅の利用者数は1日平均1.8人なので、需要量はお察しです()

運転されている理由

ここまで需要がない列車を何故走らせているのかですが、ちゃんとした理由があります。

実はこの列車は、遠軽発白滝行で使用された車両を遠軽まで戻すために運転されています。往路の遠軽発白滝行には、遠軽高校の部活が終わった高校生が瀬戸瀬、丸瀬布、白滝へ帰宅するのに利用しているため、平日は15名ほどの乗客がいます。

普通に考えれば1両編成で十分な乗車人数ですが、この列車は毎日必ず2両編成で運転されています。というのも、石北本線の遠軽~白滝~上川間は急勾配か続くため、キハ40を1両編成で運転するとパワー不足で坂を登り切れない可能性があります。そのため、この区間を運転するキハ40は、どんなに乗客数が少ないと分かっていても2両編成以上で運転されるのです。(2018年2月当時)

実際に乗ってみた!(2018年2月16日)

▲遠軽駅2番線に停車中の白滝行の普通列車4622D

まずは遠軽から白滝行の普通列車に乗車します。この日は金曜日だったので高校生が多数乗車するのかと思ったが、この日はたったの3人。僕以外にも1名鉄道ファンと思しき人が1名乗車していたので合計5名の乗車です。

遠軽駅の改札業務は19時50分までなのでこの時間はまだ改札営業してますが、ドアはワンマン扱いでした。

19時38分、遠軽を発車。

遠軽から12分で最初の停車駅、瀬戸瀬に停車。この日降りる人はいませんでした。

ここで遠軽方面のラッセル列車と交換。

次の丸瀬布で高校生3人が下車。車内に残っているのは僕含めて2人だけになりました。

丸瀬布を発車してから29分で終点の白滝に到着。たった3駅しか走らない列車ですが、全区間で上り坂がつづくので所要時間は51分とかなり長めです。なお、下り坂になる遠軽行はこの区間を40分で走破します。

▲雪が舞う駅構内に、キハ40のエンジン音だけが響く…

駅前に出ても特に人影はなく、周囲は静寂に包まれていました。

ここで特急オホーツク3号が到着。乗り降りはなく、すぐに発車していきました。オホーツク3号のエンジン音が暗闇に消えると、再び駅構内に響くのはキハ40のエンジン音だけ。

寒いので早々に普通列車の車内に入ります。当然他の乗客はゼロ人です。

2両編成使い放題ですが、1両目に乗って運転士に気を使わせるのもかわいそうなので2両目に乗車。20時43分、列車は定刻通りに白滝を発車。

上りとは違って、軽快なジョイント音を奏でて坂を下っていきます。広い車内を独り占めできるのが、とても贅沢です…(*´▽`*)

瀬戸瀬で赤熊の単機回送とすれ違って、遠軽に到着しました。

まとめ

この列車は、白滝行として運転された列車を遠軽に戻すことが目的として運転されている列車だけに、なぜ回送列車ではなく営業列車として運転されているのかわかりません。

そのため、いつ回送列車扱いになってもおかしくない列車ですので、興味がある方は早めの乗車をお勧めします。

なおこの列車に乗った後は、基本的に遠軽で宿泊することになりますが、金土日に限っては臨時快速北見行に乗り換えることができるので、その場合は北見等に宿泊が可能です。

北見宿泊が可能な日であれば気軽に乗車することができるのでお勧めです。

▲この後乗車した臨時快速北見行。この日は北見市内のホテルに宿泊しました。

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